山桜の木で製作したカトラリー、器  
 
くるみの木で製作したカッティングボード、トレイ  
乾燥した材料  
icura工房では、器とカトラリーは山桜の木、カッティングボードとトレイはくるみの木を使って製作しています。
山桜の木とくるみの木はどちらも堅さのある落葉樹です。
十分な硬さがあるのでオイルで仕上げても耐久性があります。
 
 
◆なぜ山桜の木で製作するのか◆
◇山桜で器を作る理由は、料理が一番おいしそうに見えるからです。
icuraの作品はシンプルなものが多いですが、重さ、大きさ、持ちやすさなどの使いやすさを考えたり、なにより料理がのったときにおいしそうに見えることを想像して作っています。

◇山桜の木は少し赤みの帯びた色合いをしています。
オイルで仕上げているので経年変化によってもっと濃い褐色のような色合いに変化していきます。
その色合いと野菜のグリーン色、玉ねぎの白い色などがのると、とてもおいしそうに見えてしまいます。

◇堅さのある落葉樹であれば器やスプーンなど製作することはできます。
(ウレタン塗装ではなく、オイルで仕上げるので柔らかい木では耐久性がありません)
ただ、山桜のような色合いの木はほとんどないのです。

◇山桜は道管といって水分、養分を吸う穴が小さく目が詰まっているので、汚れが詰まりにくくなっています。
ケヤキの木やタモの木、クリの木は道管が大きく、汚れが入りやすいのです。(漆仕上げやウレタン塗装すれば大丈夫です)
   
◆くるみの特徴◆
◇くるみの木でカッティングボードやトレイを作る理由は、山桜より軽いからです。
くるみも堅さのある木で導管も詰まっています。
山桜より少し柔らかい木ですが、その分軽いのが特徴で、カッティングボードは器より厚みがあるので少しでも軽くて使いやすいように。
トレイもコップやお茶碗がのったときに重くならないように。

◆木の赤身を使うこと◆
◇木の丸太には中心部分の赤身と外側部分の白太(シラタ)があります。
木は外側へ大きくなるので、赤身は大人になった部分、白太は成長途中の子供の部分と言えます。
白太は成長するために水分、養分を貯めやすいような構造になっています。

◇icura工房では、ほぼ赤身しか使わなく、白太は捨ててしまいます。
きれいな白太はもったいないと思うのですが。

◇赤身を使うのは色がきれいというのもありますが、洗ったあとにより乾きやすいため黒ずみになりにくく、耐久性があるためです。

◇木工を始めた頃はきれいな白太は使っていたのですが、乾きやすさを比べるとあきらかに違いがありました。

◇せっかく手作りで時間をかけて作るので、より良いものを作ろうと思います。
そして食器として使いやすいように。
◆木取りの様子◆
◇国産の山桜やくるみの木で幅の広いものを取ろうとすると大きな材料がないのが現状です。
長さ方向はいいのですが、幅25cmくらいを超えてくるととても貴重になってきます。

◇製材して乾燥中に割れてしまうことも。
せっかく広い丸太を挽いてもすべてがきれいに乾燥するとは限りません。
広いのに中心からまっぷたつということもあります。

◇さらにフシを避けていくと歩留まりがわるくなっていきます。

◇貴重な材料だから丸太1本使い切るものづくりをしています。


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